東京地方裁判所 昭和49年(ワ)5047号 判決 1975年5月21日
原告
高木寿夫
外四名
右訴訟代理人
中村嘉兵衛
被告
高木義敦
右訴訟代理人
本林譲
外二名
被告
篠原道子
外五名
主文
一 被告らと原告らとの間において、東京郡北区十条仲原二丁目一番四号宅地1653.37平方メートルの価額が亡高木静馬の相続財産とみなされることを確認する。
二 訴訟費用は、被告らの負担とする。
事実
一、原告ら訴訟代理人は、主文と同旨の判決を求め、その請求の原因として、次のとおり述べた。
(一) 高木静馬(以下「静馬」という。)は、主文記載の土地(以下「本件土地」という。)を所有していたが、昭和三一年一二月二八日、死亡した。
(二) 静馬の相続人は、妻ま、長男被告義敦、二男原告寿夫、四男原告寛、養子原告直助、九女原告薫、六女愛の長女被告道子、同二女被告晶子、同三女被告三栄、同四女被告睦、同長男被告勉、同五女被告操及び八女原告壬三子であり、同壬三子は、右相続の放棄をした。
(三) 右まは、昭和三九年二月一〇日死亡し、その相続人は原告ら及び被告らである。
(四) 原告らは、東京家庭裁判所昭和三五年(家イ)第二三四号、昭和四〇年(家イ)第一二二六号ないし第一二三一号家事調停事件において、本件土地が民法第九〇三条第一項により静馬の相続財産とみなされる旨主張したところ、被告義敦がこれを争つた。
(五) 本件土地は、昭和二七年四月二日より以前に、静馬から被告義敦が生計の資本として贈与を受け、同被告が、昭和二八年三月一六日、その長男義長に贈与し、所有権移転登記を静馬から直接右義長に経由したものである。
(六) よつて、原告らは、本件土地の価額が静馬の遺産分割に当り民法第九〇三条第一項により相続財産とみなされるべきことの確認を求める。
二、被告義敦訴訟代理人は、請求棄却の判決を求め、請求の原因事実はすべて認めると述べた。
三、被告敦義を除くその余の被告らは、いずれも、適式の呼出を受けたが、本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しない。
理由
一原告らと被告義敦との間においては、請求の原因事実についてすべて争いがなく、被告義敦を除くその余の被告らは、民事訴訟法第一四〇条第三項により原告らの主張事実を自白したものとみなされるところ、右事実によれば被告らの本訴請求は正当と認められるから、これを認容する。
二よつて、訴訟費用の負担につき、民事訴訟法第八九条、第九三条第一項本文をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。 (川波利明)